「お産は怖い」
出産の経験がある人も、ない人も、世の中の多くの人がこのように思っていることでしょう。
今日は、岸英光さんのご著書『働く男子(ひと)のルール』『悩んでばかりの自分から抜け出す方法』から、引用しながらお話を進めましょう。
人は皆、「怖いからできない」で動けなくなってしまうことが多いです。
『悩んでばかりの自分から抜け出す方法』には、ジェットコースターを待つお母さんと男の子の会話のエピソードが掲載されています。
気乗りしないお母さんに比べて、お子さんはすごく楽しみにしている様子。
それが、乗る順番が近づいてきたら、ジェットコースターから降りてきた人の様子を見て、お子さんは急に怖気づいて黙って尻込みしてしまいました。
その時、お母さんの対応として考えられるパターンとしては、
①「大丈夫だから!!」「怖くない!怖くない!!」「お母さんがついてるでしょう!?」と説得に入る。(ほとんど説得力ゼロですが。。)
②「せっかくこんなに並んだんだから」「入場券が無駄になっちゃうでしょう!」と言い聞かせる。(投下した資本は回収しないと許さないという経済観念か?)
③「あんたが乗るって言ったんでしょう!」と言い聞かせる。(言い出しっぺは誰だ!って感じ。。)
④「しょうがないわねえ、じゃあ乗るのやめようか。」(現実回避)
この4つぐらいが順当です。
しかし、そのお母さんはお子さんに向かって、そのどれもやらず、「あれ?どうしたの?」とオープン・クエスチョン(開かれた質問)で質問しました。
するとお子さんは「うん、怖いの!」と言いました。
お母さんは「ああ、怖いんだぁ。でも、それだけ?」と再度質問すると、お子さんは「うん、それだけ!」と答えました。
それを受けてお母さんは「そう。でも大丈夫よ、怖いだけだから!」と言ったのです。
お母さんのこの最後の一言は何の説得にもなっていませんが、結局お子さんは怖いままジェットコースターに乗った(行動を起こした)のです。
乗り終えた後、わんわん泣いているお子さんに対してのお母さんの台詞は「どうだった?」と、またもオープン・クエスチョン。
それに対してお子さんは、「うん、怖いだけだった!」と答えました。
『働く男子のルール』では、岸さんは次のように述べられています。
僕らは小さい頃からよく親に言われてきたね。
「怖くないから、やってごらん」
実はこの言葉かけが、人の中で「怖いかどうか」と「やるかどうか」「やれるかどうか」を結びつけてしまった。
「怖くてもできること」はたくさんあって、「怖くなくてもできないこと」も山ほどある。
だから、「怖いかどうか」と「やるかどうか」や「やれるかどうか」は全く関係ないことなのに、分けられなくなって動けなくなっている人が少なくない。
『悩んでばかりの自分から抜け出す方法』では、次のように書かれています。
ジェットコースターの例で見ると、「怖い」というのは、「感情」です。「感情」は、あくまで自分に起きている反応、1つの出来事です。
一方で、「乗る」かどうかは自由な意思です。「怖いから乗らない」ことも、「怖いけど乗る」こともできます。
つまり、気持ちに従うかどうかを決められる部分が意志であり、自分です。
「感情」=「意思」ではないのです。
「不安」な気持ちをどうしてよいかわからない方の多くは、自分を大切にするあまり、自分の「不安」な感情すら大切にしようとする人もいます。
でも、そればかり見つめていては、なかなか動けません。
「不安」はただの心の反応。不安な気持ちと、自分の行動は別にしてよいのです。
とは言え、無理に頑張ると、今度は気持ちの方が折れたり、より不安が大きくなってしまったりします。
だから、「不安、だからやめる」「不安、でもやる」ではなく。
「不安、そして、やる」
こんな考え方が、不安と上手につきあう秘訣です。
フジハラレディースクリニックに来られる妊婦さんもいろんな方がおられます。
中には、元々相当ビビリな方もいます。
それでも、皆さん結構お産を楽しんで満足しておられますよ。
「私はビビリ、だからお産はやめる」ということはできませんし。
そういう時は、「私はビビリ、でもお産をやる」よりも、「私はビビリ、そして、お産をやる」のように、「分別」したり、「横に置く」方が楽にできちゃうでしょうね。
だから、お産が怖くても大丈夫なんですよ。
だって、怖いだけですから。
「怖い」と「いいお産をする」「お産を楽しむ」のは、別のことです。
怖くっても、めっちゃ笑顔のお産は必ずできます。顔晴りましょう\(^o^)/
次回もお楽しみに♪
『お産とコーチング』14~怖いだけだから大丈夫!|広島市安佐南の産婦人科 フジハラレディースクリニック
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