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『お産とコーチング』41~『陣痛ワクワク大作戦!』|広島市安佐南の産婦人科 フジハラレディースクリニック

TEL 082-850-1815
P40台完備
朝8時から
診察中
コラムカテゴリー: 妊娠, 出産, その他

 前回の『お産とコーチング』40では、「探究」のススメについてお話しました。

誤解のないように付け加えますが、頭でっかちなお産をしよう、という意味ではありません。
言うまでもなく、生命が誕生する瞬間ですので、「頭で考えるお産」ではなくて、「心で感じるお産」を体験してもらいたいと思っています。
「お産は怖い!痛い!」という先入観やイメージを煽られて、現実を見ようとせず、頭の中だけで「怖い」「痛い」という思考が膨らんでいるだけでは、絶対にうまくいきません。
きちんと「探究」していく方が、変な先入観やイメージを払拭できて、お産の素敵さや楽しさをちゃんと味わえますよ、ということを申し上げているのです。
そして、この『お産とコーチング』のシリーズは、分娩される方にも読んでいただきたい気持ちはありますが、それよりも、お産のコーチである産科医療者とりわけ産科医に読んでもらいたくて、書いております。
シンプルなことです。
お産の本来持っている素晴らしさや楽しさを伝えよう、わかってもらおうと色々考え実践できる、その「立場を取る」中心は、産科医以外にはないからです。
産科医がこのことを考えなくてどうする!! 誰が考えるんだ!!
なので、主に「探究」していくのは、妊婦さんではなくて、産科医の務めです。
さて、前回、「陣痛」「分娩」の言葉の意味や成り立ちを探究してみましたが、それは、陣痛を「陣痛」と呼ぶから、余計に「お産は怖い!痛い!」と煽っているのではないか?と考えたことから、始めたことでした。
当院では、以前その発想から『陣痛ワクワク大作戦!』というのをやってみました。
これは、陣痛を「陣痛」という呼び名をやめて、「ワクワク」という名前で呼んでみる、というものです。
例えば、
「〇〇時からワクワクが10分毎に始まりました!」
「今ワクワクが5分毎で来ています!」
みたいな使い方です。
この方が、陣痛のある時間を、ちょっとでもラクに過ごせるような気がしませんか?
以前、筑波大学名誉教授の村上和雄先生にフジハラレディースクリニックでご講演いただきました。
村上先生は、「ヒトは、心の状態によって自らの遺伝子をオン/オフできる。『笑い』や『利他行動』など『よいストレス』により、遺伝子のスイッチをオンにすれば、病気が快方に向かったり、よりよく生きられる。」と仰っています。
村上先生のご著書の中の文章を引用してみますと
(引用始まり)
日本人の死因のトップに来ている「がん」。この前を変えてみたらどうかと、産婦人科医で「日本笑い学会」副会長の昇幹夫先生がおっしゃっていました。
「癌」では名前があまりに悪い。いっそ「ポン」にしたらどうだろうか、と。
不謹慎だと言われるかもしれませんが、この話は大真面目です。「肝臓ポン」だと、そこにはなぜか深刻さがあまりなくなってきます。
なんだか自分で治せるような気がしてきませんか?実際に、がんだって生き方や考え方を変えることで、遺伝子のスイッチがオンになり、治っていくケースがあるのです。
しかもがんだけは、なぜか「告知」という言葉が使われます。他の病気ではあまり告知なんて言いません。そんなふうに言われると、まるで、何か動かしがたいものを与えられたかのようになってしまいます。
ですから、もう告知なんていう言い方はせずに「お知らせ」にすればいいのです。がんは「ポン」で、告知は「お知らせ」。たったこれだけでも重苦しいものが吹き飛びます。
たかが言葉ですが、言葉を変えることは、考え方、ひいては生き方を変えることにつながります。そうして生き方を変えれば、自分の中の眠っている力を呼び起こすことができ、自分を信じる力だってわいてくるはずです。
(引用終わり)
という訳で、『陣痛ワクワク大作戦!』と題して、「陣痛」に代わるラクに楽しめそうなネーミングを、ブレインストーミングでどんどんあげてみましょう! よ~いスタート!
「ワクワク」「ハッピー」「ラッキー」「ウキウキ」「波動」「感謝」「ありがとう」「サンキュー」「幸せ」「ラクラク」「歓び」「誕生」「生まれる」「感激」「パワー」「エネルギー」「ウェーブ」「元気」「たこ焼き」「アイスクリーム」「チョコバナナサンデー」etc.etc.
「たこ焼き」?「チョコバナナサンデー」?と思われるかもしれませんが、ラクに楽しめそうなネーミングを考える時に、陣痛っぽいもの、にこだわる必要はありません。
「『たこ焼き』が10分毎に始まりました!」
「今『チョコバナナサンデー』が5分毎で来ています!」
でも、いいではありませんか?
そういう考えもあって、当院では「陣痛室」とは呼ばずに、「分娩待機室」としています。
逆に、これを
「鼻から西瓜部屋」「痛みと闘う部屋」「地獄部屋」「拷問部屋」etc.etc.
と呼んだら、かなりキツイ感じでしょう。(呼ぶ訳ないんですけどね(*^-^*))
「分娩室」もブレインストーミングしてみると
「スルスルすっぽん部屋」「幸せ部屋」「愛と光の部屋」「天使ちゃんが生まれる部屋」「誕生室」「産声室」「産んでくれてありがとう部屋」「生まれてくれてありがとう部屋」「ハッピー部屋」「ラッキー部屋」「ブラボー部屋」「イェイ部屋」「万歳部屋」「やったー!部屋」「楽しむ部屋」「歓喜最幸室」etc.etc.
何でもありでしょう(*^^*)
呼称を変えてみただけで、ラクに楽しく産めて、満足できて幸せを感じられて、一生の思い出になるなら、こんな素敵なことはないでしょう。
あなたもやってみましょう! 『陣痛ワクワク大作戦!』

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2019.05.13