中村文昭さんの講演会で、こういうお話をうかがったことがあります。
飯を食うためだけにやる仕事を「ライスワーク」、一生かけてやる仕事を「ライフワーク」、好きでやる仕事を「ライクワーク」、世の中の人々に光や夢や希望を与える仕事を「ライトワーク」と呼ぶのだそうです。
イチロー選手は、飯を食うためだけに仕事をしているとは到底思えません。光を与える、まさにライトワーカーでしょうね。
(ちなみに私もライトワーカーを目指しています)
仕事が終わって家に帰って、奥さんや子どもに会うなり、「ああ疲れた」と言うお父さんがいます。
お父さんが帰って来るのを心待ちにしていて、会っていきなり「ああ疲れた」と言われると、子どもは、仕事って疲れるものなんだ→楽しくなさそうだな→大人になるの嫌だなあ、将来仕事するの嫌だなあ、というようになってしまいます。
その一言で、子どもの将来の夢を奪ってしまうとしたら、お父さんの発言の責任は重大です。子どもから笑顔を奪っているのは、そんな親の一言かもしれません。
子どもさんが、親御さんに「将来こんなことをしたいんだ!」と夢を語ってくれた時に、こんな親の一言が、その子の可能性や個性を潰してしまうそうです。
「ダメダメ!」「無理無理!お前なんかにできる訳ない!」「やめとけ!やめとけ!」
その親御さんからとってみれば、そんな夢みたいな、実現が難しそうな仕事に就くことを目指すよりも、その子の身の丈に合った、堅実な仕事に就いて欲しい、と思うのも、親心の一つでしょう。
コーチング的に言えば、その親御さんにとってみれば、パラダイムの外のお話だったのかもしれませんが、その意見は、あくまで、その親御さんの経験や考えから出されたものであって、その子に対しては必ずしも正しいとは言えないのです。
こういう風に言われると、子どもからはどんどん笑顔がなくなっていってしまうでしょう。
しかし、そういう対応ではなくて。
「おお、それはすごいな!世の中の人が皆無理だ!やめとけ!と言ったとしても、お父ちゃんお母ちゃんはお前の夢を応援するで!一番の応援団になってやるよ!頑張れよ!」
と言われたら、子どもさんはすごく嬉しいでしょう。輝いた笑顔になるに違いありません。
中村文昭さんのこのお話は、子育てに関する内容だったのですが、私には、当院で実践している『つぐお式出産』と本質は同じように思えました。
「お産なんて怖くて痛いに決まってる!」「楽しいお産も幸せなお産も無理無理!」「笑いながら出産するなんてできる訳がない!」
と言われたり、言われてなくてもそれが当然のこととして思われている中でのお産と。
「笑いながらお産できるよ!」「お産を楽しめるよ!」「いいお産できた!って幸せを感じられるよ」
と言われてやるお産では、自ずと結果は変わって来るのではないでしょうか?
『つぐお式出産』を実践するのに、特殊な技術は必要ありません。特別な薬も魔法もありません。
ただただシンプルに。素直に。
私が伝えたいのは、お産っていいもんだよ、楽しいよ、幸せを感じられるよ、ということのみです。
コーチングは、「あなたがあなたのままで欲しい結果を手に入れる」ためのもので、コーチは、相手がその欲しい結果に近づけるような、投げかけをするのが役割です。
あなた自身が変わる必要はありません。
あなた自身が変わらなくても、欲しい結果を手に入れることはできます。
楽しくて幸せを感じられる、いわゆる「いいお産」ができる素質は、誰の中にも元々ある、ということなのです..
だから、『つぐお式出産』はお一人おひとりのお母さんを信じて、それを説いて、実践しているだけです。
何も特別なことはありません。いたってシンプルです。
中村文昭さんのお話は、子育てのみならず、いいお産のみならず、すべての物事に通ずることではないでしょうか?
3年前にフジハラレディースクリニックでご講演いただいた中村文昭さん。
7月28日(土)に当院二回目の登場です。どうぞお楽しみに(^^)/