実際のお産の時に役立つ「いいお産のための3つのコツ」についてお話しています。
「いいお産のための3つのアドバイス」は、落ち着いていいお産に臨むためのアドバイス(許可・意識や意図・言葉)であり、「いいお産のための3つのコツ」は、実際のお産の時に、慌てたり、取り乱しそうになった時に、落ち着いた状態に自分を戻すためのコツ(呼吸・返事や会話・笑顔)です。
前回は、「3つのコツ」のうちの「呼吸」についてお話しました。
残りの2つのコツをお話する前に、今日は『アップセット』についてお話しましょう。
アップセットとは、英語で書くと upset 。
upset とは、set up (セットアップ)の反対です。
set up とは、辞書的には、(色々な物を)組み立てる、という意味のようです。
upset とは、実際には、怒っている、緊張している、悲しんでいる、などの、あらゆるネガティブな感情を表すのに使うそうです。
今日のところは、これらをコーチング的にシンプルに解釈するために、「セットアップ」は、「組み立てられている状態」つまり「整っている状態」と理解してください。
ということは、「アップセット」とは、「整っていない状態」つまり「慌てていたり、取り乱している状態」のことです。
そういう用語の説明はしなくてもいいから、落ち着けるためのコツを早く教えてよ!!という方も大勢いらっしゃると思いますが。
まあまあアップセットしないで、もう少し続きを聴いてください。
用語を知る、ということは、そのものの存在を認める、ということにもなります。
そのものの存在を正しく認められれば、状況が好転していくこともあります。
例えば、あなたが「胎内記憶」という言葉を今初めて知ったとしましょう。
「胎内記憶」という言葉を知り、「胎内記憶」の存在を認めると。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた時の記憶がある、ということは、赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいた時も意識や感覚や意思などあって、それを憶えている、ということになります。
赤ちゃんは生まれる前から、意識や感覚や意思がある、だから、お父さん、お母さん、だけでなく、私たち産科医療従事者も、赤ちゃんを一人の人として尊重して接してあげる必要があります。
そうなると、妊娠生活も、分娩そのものも、自ずと違ったものになると思われませんか?
もちろん、いいものに、ですよ。
それと同じように、「アップセット」という用語を知っていると。
実際のお産の時に、慌てたり、取り乱したりしても、
「いかんいかん。私、今アップセットしてるわ。」
と、自分がアップセットしている状態を客観的に認められるようになるために、比較的早く落ち着けるようになれるのです。
だから、今日のところはまず、「アップセット」という用語を覚えておいてください。
次回は、そのアップセットから、ちゃんと降りて来れるためのコツについてお話しましょう。
お楽しみに~(*^^*)
『お産とコーチング』20~アップセット!|広島市安佐南の産婦人科 フジハラレディースクリニック
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