赤ちゃんを「産む」主役は、お母さんです。
「産む」主役は、私たち産科医やスタッフではありません。
ましてや「産む」主役は、「陣痛」でもありません。
「産む」主役は、紛れもなくお母さんです。
そんなの当たり前じゃないか、と思われることでしょう。
「つぐお式出産」で「産む」お母さんは、分娩進行中陣痛がある時も、ニコニコ笑顔で出産され、赤ちゃんが生まれ出た直後も、ああ楽しかった!先生次のお産もよろしくお願いします!と言われることも多いです。
確かに、「産む」主役はお母さん、と実感できます。
しかし、世間一般的によく見られるように、お産の時、わあわあぎゃあぎゃあ大騒ぎしたり、痛い痛い!と叫んだりして、自分を見失っているような状態になってしまった時。
「産む」主役は、お母さんであることに変わりはないはずなのですが、当のお母さんは、心から本当にそのように思えるか。
「産んだ」というより「産ませてもらった」感が強ければ、主役は「産科医」や「陣痛」だったんじゃないか、と思われるかもしれません。
出産されるお母さんには、「産むこと」にきちんと立場を取ってほしいと思います。
そんなの当たり前じゃないか、と再度思われることでしょう。
でもまずは、そこが一番大切です。
お産とは、「誰かに産ませてもらうもの」ではなくて、「お母さんが産むもの」です。
強い気持ちで臨みましょう。
でも気負うことも恐れることも必要ありません。
軽い気持ちで大丈夫です(^_^)
コーチングの「立場を取る」とは、誰かに強制されるものではなく、「ねばならない」というノルマや窮屈さはありません。
「立場を取る」ことの本質は、自らの意思で自由に軽やかに選択している、ことです。
うまくいかなくても誰からも責められませんし、うまくいったら達成感を感じられます。
私は、お産に関しては、「産む」主役はお母さん、「生まれる」主役は赤ちゃん、「応援する」主役はご家族、「サポートする」主役は私たち産科医とスタッフ、だと思っています。
お母さんには「産むこと」にきちんと立場を取ってほしい、と言いましたが、私自身は「サポートすること」に徹底して立場を取っています。
「主役」は「主人公」とも言い換えられます。
「主人公」の語源は、禅に由来するもので、「自らが、自らとして生きること」という意味があります。
出産するお母さんには、自ら「産むこと」に立場を取って、「産むこと」に生きてほしい、と思います。
頑張らなくていいです。 顔晴りましょう!
次回もどうぞお楽しみに(*^^*)
『お産とコーチング』7~立場を取る|広島市安佐南の産婦人科 フジハラレディースクリニック
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